歯科衛生士が紹介!虫歯菌の「酸」に負けない、強くて丈夫な【歯】をつくるために摂りたい栄養素と食材ガイド
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虫歯菌と砂糖の関係について歯科衛生士が解説
2023.10.23 歯と健康こんにちは、名古屋市の地下鉄名城線、東山線、栄駅から徒歩3分、桜通線久屋大通駅から4分のデュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の歯科衛生士の井尾です。
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科では、院長含めスタッフ全員でお昼休みを一緒に食べています。(ちなみに当番制で朝にお米を炊いています♡)お昼ごはんを食べ終わった後は、院長からの差し入れや患者様から頂いた差し入れのおやつをみんなでワイワイ言いながら頂きます♩みんな甘いものには目がないのでチョコ系やクッキーが多めです(笑)もちろん食べ終わった後は虫歯にならないよう、すぐに歯磨きを念入りにします!
そんな今日は、私たちも大好きな砂糖を含んだ甘い食べ物や飲み物についてお話ししていきます!
砂糖の1日の摂取量は?
皆さんは1日に摂取している砂糖の量を気にされていますか?
世界保健機関(WHO)が推奨している砂糖の1日の摂取量は、25g程度(ティースプーン約6杯)です。スティックシュガーで換算すると8本分となります。
砂糖によるプラーク(歯垢)の変化
以前にプラークについてお話ししましたが、日頃の食事によってプラークの質が変わることをご存知でしょうか?
砂糖を摂取すると虫歯菌が酸を産生します。この酸によって歯が溶けていきます。
そして虫歯菌は、糖分を分解するときにグルカンという非常に粘着力の強いネバネバした物質をつくり出します。グルカンは唾液や水で溶けないため、うがいをしたくらいでは流れ落ちません。歯の表面と歯と歯の間にしっかりへばりついて、そこに様々な細菌がくっつきプラークとなります。さらにプラークが厚みを増すとご自身では落としきれないバイオフィルム(様々な細菌が集まってできたネバネバ、ヌルヌルした膜)を形成します。
グルカンは、歯と歯の表面にプラークやバイオフィルムをくっつける強力なのりのような役割をしているのです。
このグルカンは糖から作られるので、砂糖をよくとる人ほど、この物質がつくられやすいということになります。
ごはんやパンなどのでんぷんに含まれる糖もまた、唾液に含まれる酵素で分解され、麦芽糖という糖になるため、甘いものではなくても虫歯の原因になるという認識も大切です。
おやつの中の砂糖の量はどのくらい?
ポテトチップス(うすしお) 1袋35g
ポッキー 1箱100g
ミルクチョコレート 1枚70g
バニラアイス(爽) 1個30g
果汁グミ(ぶどう) 1袋35g
飲みものの中の砂糖の量はどのくらい?
コカコーラ(500ml) 1本56.5g
レッドブル(470ml) 1缶52g
スタバのアイスフレーバーラテ(グランサイズ) 1杯28g
リプトンのレモンアイスティー(590ml) 1本32g
ポカリスエット(500ml) 1本31g
アクエリアス(500ml) 1本23.5g
このようにほとんどの甘い飲み物が1本飲むだけで25gをオーバーしてしまいます。
ジュースと一緒に甘いおやつを一緒に食べれば過剰摂取になってしまいます。
おやつの食べ方
甘いものは虫歯の原因と言われるのには、おやつの”食べ方”も大きく関係しています。
おやつは食事の間にとる「間食」ですが、何かをだらだらと食べる「ながら食い」をすることが多く、また食べた後にすぐ歯を磨くこともあまりないでしょう。
唾液には酸性を中性に戻す働きがありますが、だらだらと食べ続けていると酸が歯に長い間残り続けてしまいます。
おやつは時間を決めて、何を食べても食後はなるべく早めに口をすすぐか歯を磨きましょう。アメやキャラメルなどは長い間口の中に停滞するため虫歯のリスクがグッと上がるので注意が必要です。
◎食べすぎ、飲み過ぎには要注意
絶対に食べたり、飲んだりしてはダメというわけではもちろんありません。
食べる量に気をつけることと、食べた後にはきちんと歯磨きをしましょう。
虫歯になることもですが、砂糖の過剰摂取は肥満や、集中力の欠如などを引き起こします。また砂糖の消化に必要なビタミンB群やカルシウムなどの栄養素が不足し、イライラしたり気持ちが落ち込みやすくなります。
肥満は、高血圧や糖尿病といった生活習慣病を引き起こす要因になります。高血圧、糖尿病には歯周病が関係してきます。この関係性はまた今後お伝えさせて頂きますね。
まとめ
甘いものを食べるとほっとしたり、幸せな気持ちになりますよね。
舌には味覚をキャッチして情報が脳に送られます。味覚の中の”甘味”は脳内の心地よさを感じる部分を刺激してホルモンを分泌させます。そのホルモンはストレスをやわらげ、心身をリラックスさせる作用や、快感をもたらす作用があります♡
なんでも過剰摂取は、健康にも歯にも良くありません。砂糖とうまく付き合っていつまでもおいしく食べられるように、歯のケアを心がけましょう。
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会