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歯並びは遺伝だけでは決まらない!歯並びに影響する「お口の癖」を6つ解説
2023.7.07 歯と健康こんにちは、デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科 歯科衛生士の井尾です。
歯並びが悪いのは遺伝だと思っていませんか?
歯並びは歯の大きさ、顎の大きさ、唇、頬および舌の力が影響します。
歯の大きさは遺伝、唇と頰および舌の力は生活習慣で、
顎の大きさは遺伝と生活習慣両方に影響を受けます。
つまり歯並びは遺伝ではなく、遺伝も一要因です。
本日はお口の癖と歯並びの関係性について解説していこうと思います。お子さまの歯並びを悪くする原因として、さまざまな癖が挙げられます。
大人でも同様のことが言えますが、顎の成長過程にあるお子さまは、癖の影響が現れやすいです。小さなお子さんがいらっしゃる方はお口の癖に注意をしてください。
お子さまの歯並びを悪くする原因
指しゃぶり
指しゃぶりは、基本的にどの赤ちゃんにもみられる癖であり、生後2〜3ヶ月頃から始まります。
精神面と関わりが強く、寂しさを紛らわすためだったりと心の安定を得るためのものなので、癖をやめさせるにはタイミングが大切です。
やめたほうがいい理由をきちんと説明して、できるだけ自分自身でやめたいと思えるように温かくサポートしましょう。
叱りつけるようなことは避け、誕生日を迎えた時や進級したタイミングなどで「もうお兄ちゃん、お姉ちゃんだから指しゃぶりはやめようね」と優しく伝えてみてください。
すぐにとはいかなくても、きっかけづくりは大切です。
4歳以降の指しゃぶりは、歯並びへの影響が大きくなります。できれば3歳頃にやめさせるようにしましょう。
指しゃぶりによる歯並び
・出っ歯(上顎前突)
・開口(オープンバイト)
・上顎の歯列が狭くなって”狭窄歯列”となり、上下の奥歯の噛み合わせがハサミのようにずれて”交叉咬合””はさみ状咬合”などの不正咬合になる場合もあります。
舌を前に出す癖
舌で歯を触ったり、歯を押し出したりする癖を舌癖といいます。
小さな力ではありますが、その力が持続的にかかることで歯並びに影響がでてきます。
この癖は、舌の先端の位置が本来の正しい位置よりも、やや前方で低い位置にあるのが特徴です。上下の前歯の間から舌が見え隠れし、発音が不明瞭になったり、食べる時に音を立ててしまうなどと日常生活にも影響がでてきます。
舌壁による歯並び
・出っ歯(上顎前突)
・開口(オープンバイト)
・受け口(下顎前突)
頬杖をつく
何気なくついてしまう頬杖ですが、思っている以上の圧がかかり、下顎があまり成長しない原因になります。
同じ方向にばかり頬杖をつくことで、顎や頬骨の変形にもつながります。
骨格のズレは歯の矯正では改善しないことが多いため要注意です。
無意識でしていることが多いので、自覚させてやめるように促しましょう。5〜6歳以降に現れやすいと言われています。
頬杖による歯並び
・出っ歯(上顎前突)
・過蓋咬合
口呼吸
口呼吸をしている人は、長時間お口が開けっぱなしの状態となるため、常に下顎と舌の位置が下がってるので、お口の筋力や顎の成長発育に悪い影響を与えます。
口呼吸による歯並び
・出っ歯(上顎前突)
・顎の発育が悪くなるため顎が小さく、歯が並ばずガタガタになる恐れがあります(叢生)
爪を噛む
爪を噛む癖は3歳頃から始まることがあります。
原因として言われているのは、精神的緊張です。どんな時に噛んでいるのか確認しましょう。その時の環境から別の環境に切り替えてあげてください。それ以外の対策としては爪をこまめに切る、手指保護キャップ(絆創膏でも○)で爪を覆う、爪に苦い味のするマニキュアを塗る方法もあります。
爪を噛むことによる歯並び
・出っ歯(上顎前突)
・開口(オープンバイト)
・ガタガタ(叢生)
・歯の軸がズレたり位置がズレる
・受け口(下顎前突)
唇を噛む
唇を噛む癖では下唇を噛む場合と上唇を噛む場合があります。
唇を噛むことによる歯並び
・下唇を噛む場合は出っ歯(上顎前突)
・上唇を噛む場合は受け口(下顎前突)
・唇を吸う時の力により、頬が歯全体を内側に押すことでガタガタ(叢生)になることもあります
他にも食べ物を片側で噛む癖や食べ物を噛まずに飲み込む、うつ伏せで寝る、姿勢が悪いなども歯列や顎が歪み悪影響を与える可能性があります。
小さい頃からこれらの癖を早期に発見し、無くしていくことで、歯並びが悪くなるのを防げるかもしれません。上記のような癖を見つけたときは気軽にご相談ください。
歯科医院ではMFT(筋機能療法)という、お口の周りや歯の周囲の筋肉のバランスを整えるトレーニングがあります。トレーニングを行うことで、舌の位置を正常化し、自然に口を閉じていられるようになります。癖が治らずに歯並びが悪くなってしまった場合は一度歯科医院で相談してみてください。
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会