【歯周病治療】は「患者様のホームケア」と「歯科衛生士のプロケア」の両方が肝心!デュランタデンタルクリニックの【歯周病治療】の流れを徹底解説!
Column
コラム/ 歯周病・予防治療 / 歯周病と虫歯の治療で最も重要なのは、毎日のセルフケア。歯磨きの大切さとコツを知ろう。
歯周病と虫歯の治療で最も重要なのは、毎日のセルフケア。歯磨きの大切さとコツを知ろう。
2023.4.21 歯周病・予防治療こんにちは。
名古屋市中区栄にある歯科医院「デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科」の歯科衛生士の井尾です。
歯磨きは、歯垢(プラーク)を取り除きお口の中を健康的に且つ衛生的に清潔に保つ効果的な予防処置であり、歯周病、虫歯に対するもっとも重要な治療のひとつです。
歯垢(プラーク)とは?
そもそも歯垢とは何かご存知でしょうか。歯垢とは「食べカス」と思っている方が多いのですが食べカスとは別物です。食べ物に含まれる糖分をエサに増殖した細菌の塊で、歯垢の1mgの中にはおよそ300種類、1億個もの細菌が存在しています。ネバネバしていて粘着性があるため歯にしっかりと付着し、歯垢の中に存在する虫歯菌や歯周病菌などの細菌が私たちの歯や歯ぐきにさまざまな悪影響を及ぼします。
歯垢は、歯ぐきより上の歯の表面に付着する歯肉縁上プラークと歯ぐきより下(歯周ポケット)に付着する歯肉縁下プラークの2種類に分かれます。
歯肉縁上プラークは歯を溶かす酸を産生する菌が多く存在します。これらの細菌は、主に唾液に含まれる成分や飲食物を栄養源とし、特に飲食物中の糖は栄養源であるとともに、酸を作り出す元になります。また、歯と歯ぐきの境目についたプラークは歯周病の原因になります。
歯肉縁下プラークは歯周病を引き起こして歯周組織(歯の機能を支持する歯の周囲の組織)を破壊する恐れのある「歯周病菌」が生息しやすく歯周病を悪化させます。歯周病菌は、増殖に酸素を必要としない嫌気性菌のため、酸素の届かない歯周ポケットは格好の住処となります。歯周病菌の栄養源は、主にからだから出る浸出液です。特に炎症のひどい場合の歯ぐきからでる血液が栄養源となります。歯垢(プラーク)はただの汚れではなく生きた細菌なのです。そのために歯垢を放置してしまうと虫歯や歯周病など口腔内の病気の原因にもなってしまいます。
虫歯と歯垢(プラーク)
食後の口腔内は、乳酸菌や虫歯菌が酸を生成することで酸性に傾き、歯のカルシウムを溶かします。これを脱灰(だっかい)と言います。すぐに歯垢を取り除けば脱灰が起こっても唾液の働きによって酸は中和されて溶けたカルシウムは修復されます。これを再石灰化と言います。ですが歯垢を放置してしまうと、脱灰が進んでしまいます。進行していくと歯に穴が空いて虫歯の状態となり、早期に歯科医院での治療が必要になります。
歯周病と歯垢(プラーク)
歯垢が付着した状態が長い間続くと、歯ぐきが腫れたり出血したりと炎症が起こります(歯肉炎)。歯肉炎の状態で治療をせず放置してしまうと歯を支えている顎の骨が溶けていき歯周病を発症します。歯周病は重症化すると歯がぐらつき最悪の場合は歯を失ってしまいます。実は歯を失う原因の第一位は歯周病なんです。歯周病の初期は、痛みなどの症状がないため重症化してからはじめてお口のトラブルに気づくことが多いのです。そして歯垢の中に存在する細菌は、VSC(揮発性硫黄化合物)と呼ばれる硫化水素やメチルメルカプタンなどのガスを生成します。これらのガスは強い悪臭を放ち、口臭の原因となります。歯周病が進行していくと、口臭が強くなることがあります。
歯垢を除去するには
先程お話したように歯垢はネバネバしていて粘着性があるためうがいや簡単な歯磨きでは取り除くことができません。歯ブラシでこすり取る必要があります。しかし歯ブラシだけでは歯と歯の間の歯垢、歯と歯ぐきの境目の溝(歯周ポケット)の歯垢は除去できないため歯間ブラシやフロス(糸ようじ)などの補助清掃用具によるケアを徹底することが大切です。
歯ブラシによるブラッシング
歯垢除去には歯ブラシを使った歯磨きが不可欠です。磨きにくい奥歯や歯並びが悪いところ、虫歯の治療を行って詰め物が入っているところの周りなどは虫歯や歯周病になりやすいので時間をかけて丁寧に磨くようにしましょう。
歯磨きは毎日の習慣としてやや無意識的に行われる作業です。その分どうしても我流になったり、無意識に手を動かしやすいところや気になるところばかり磨いたり全体磨いてはいるけど短い時間の場所があったりとしてしまうのです。
この磨き癖により虫歯や歯周病が発症しているということがよくみられます。磨き癖さえ克服出来れば、歯磨きの精度が格段にアップし磨き残しは無くなり、虫歯や歯周病、口臭の予防に繋がります。
磨き癖を治すためにはまず自分の磨き癖を知ることが大切です。普段通りに歯磨きを行った後に歯科医院にて歯垢を染めだす液で染めてみると磨き残した不得意な場所が、目に見えて分かるために今後歯磨きを行う際に意識が向きやすいでしょう。
薬局などにもご自身で染める液は売っていますが、まずは歯科衛生士と一緒に自分に合った歯ブラシや磨き方などを改めて見直してみることをおすすめします。お口の大きさや、歯の大きさ、長さ、歯並びの状態、口の筋肉の硬さ、嘔吐反射を起こしやすいかどうかなどに応じて最適なものを選んでもらうと磨きやすい歯ブラシが見つかるでしょう。
まとめ
虫歯や歯周病は、歯や顎の骨など、お口の健康を支えている重要な組織を破壊する病気なので、可能な限り予防することが大切です。定期検診ももちろん大事なことですが、日々のご自身のセルフケアは最も重要な予防になります。また、歯磨きだけでは取り除けない歯垢については、歯科医院で専用の器具や薬剤を使用して取り除いてもらうようにしましょう。
当院では担当衛生士が患者さんにあった歯磨きの仕方、清掃器具の説明も行なっています。
一緒にお口の状態を良くしていきましょう。ご来院お待ちしています。
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会