9つの年代別、歯周病予防のポイントを解説!口腔内・身体・生活習慣の変化の特徴とリスクを知って生涯自分の歯で過ごそう
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9つの年代別、歯周病予防のポイントを解説!口腔内・身体・生活習慣の変化の特徴とリスクを知って生涯自分の歯で過ごそう
2024.9.03 歯と健康こんにちは。デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の歯科衛生士の國竹です。
毎日35℃を超える猛暑日が続いていますね。待合室にはウォーターサーバーがありますので治療前にぜひ冷たいお水を飲んで水分補給をしてくださいね。💦
今回は年代別の歯科予防についてお話ししていきたいと思います。
一生の間に、口腔内環境は変化していきます。生活環境や習慣にも左右されますので患者様一人一人でも異なりますが年代ごとにお口の中の特徴や気をつけるべきリスクが変化していきます。今回は9つの年代に分けてお話ししていきたいと思います。
胎児期(お母さんのお腹の中の時期)
歯が生えるのは生まれてからですが、歯の芽がつくられ始めるのは赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時からです。成長の過程でやがて歯の萌芽になる細胞がつくられるので、栄養バランスの取れた食事をすることが妊婦さんや赤ちゃんの全身の健康、そして歯の健康につながります。
妊娠中は体内環境と共に口腔内環境も大きく変化していく期間です。悪阻などもあるため口腔ケアがなかなかできない時期でもあります。そのため虫歯や歯周病に罹患しやすく、それは母体だけでなくお腹の中の赤ちゃんにも悪影響を与えます。特に「妊娠性歯周炎」に罹患し悪化すると、低体重児出産や早産のリスクが高まるため注意が必要です。
胎児期にできる歯科予防
- 悪阻などで歯ブラシができない時期でもお水やお茶で口をゆすぎましょう
- 栄養バランスの取れた食事を心がけましょう
- 妊娠安定期になったら、必ず歯科医院を受診に妊産婦検診を受けましょう
新生児期(0〜1歳)
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には虫歯菌は存在しませんが、生活するうちにやがてまわりの大人の唾液を介して感染します。しかしその時期をできるだけ遅らせることができれば将来的に虫歯になるリスクを抑えることができます。そのためご家族全員でお口の中の環境を整えるために歯科医院での定期的な検診が大切です。
乳歯は生後半年くらいで生えはじめます。歯が生え始めると虫歯のリスクも生じるので濡らしたガーゼなので優しく歯を拭いてケアしましょう。
新生児期にできる歯科予防
- 家族で予防をおこない口腔内環境を整えましょう
- 赤ちゃんに唾液を介して虫歯菌をうつさないように注意しましょう
乳幼児期(1〜3歳)
乳歯は永久歯より柔らかく、歯を覆うエナメル質が薄いので虫歯になりやすく、虫歯になってしまうと進行が早いのが乳歯の特徴で、虫歯になってからの治療よりも虫歯にならないための予防が大切です。
またこの頃から、通常の食事と補食としておやつを食べる機会も多くなってくると思います。虫歯になるリスクを減らすために、糖の摂取量に注意して食事や間食は規則正しく摂り「ダラダラ食べ」をしないように気をつけましょう。そして食べたら「歯を磨く」「口をゆすぐ」を習慣化できるようにしましょう。
またこの時期から歯科医院での定期検診をうけ、予防ケアを受けるようにしましょう。
乳幼児期にできる歯科予防
- 規則正しく食事や間食を心がけましょう
- 食べたら歯を磨くことを習慣化できるようにしましょう
- 歯科医院で定期検診をうけ予防処置としてフッ素塗布を行いましょう
幼少期(3〜6歳)
この時期はお子様に毎日の歯磨きの習慣をつけてあげましょう。まだ自分ではきちんと磨けていなくて構いませんので、歯ブラシを持つ習慣をつけることが大切です。そして親御様が仕上げ磨きをしてあげてください。歯ブラシが苦手なお子様は、歯ブラシの時間がなるべく苦痛な時間にならないよう工夫して磨いてあげることが重要です。
またこの時期の指しゃぶりや頬杖、唇やタオルを咬むなどのクセは歯並びの乱れを引き起こします。クセに気づいたら早めに治してあげるようにしましょう。
幼少期にできる歯科予防
- 歯を磨く習慣を身につけましょう
- 親御様の仕上げ磨きもとても大切ですので就寝前の歯ブラシを楽しい時間にしましょう
- 指しゃぶりなどのクセは早めになおしましょう。どうしても治らない時は歯科医院で相談しましょう
- 定期的な歯科検診を受診して予防ケアを行いましょう
少年期(6〜15歳)
最初の永久歯は6歳頃に生えはじめ、これを「6歳臼歯」といいます。
生えはじめはまだ柔らかいうえ、噛み合う面の溝は複雑な形状をしているので汚れがたまりやすく虫歯の原因になります。また乳歯と永久歯が生え変わる混合歯列期という時期で歯磨きの難易度があがります。ご家庭での口腔ケア習慣に加えて、歯科検診での予防処置や歯科衛生士による歯磨き指導を受けるようにしましょう。
少年期にできる歯科予防
- 歯磨きの習慣を続けましょう
- 規則正しい食事と糖の摂取量に気をつけましょう
- 定期的な歯科医院の受診を行い、フッ素塗布や歯磨き指導をうけましょう
思春期(15〜20歳)
28本の永久歯(親知らずは含めない)が生えそろい、顎の成長もまとまる時期です。日常生活の環境が変化して忙しくなり、部活や受験、仕事による生活習慣の乱れや思春期のホルモンの変化が関係する歯肉炎が発生しやすくなります。
毎日のセルフケアと共に歯科医院での定期検診を必ず受けましょう。
思春期にできる歯科予防
- デンタルケアの知識を身につけて、予防のために習慣を身につけましょう
- 歯ブラシと補助的清掃用具(フロスや歯間ブラシ)をつかいましょう
- 歯科医院での定期検診を受けましょう
成人期(20〜40歳)
この時期から虫歯だけでなく歯周病予防にも気をつける必要があります。
歯周病は日本の成人の約8割が予備軍、またはすでに罹患しているといわれているほど蔓延しています。また歯周病は生活習慣病です。
成人期になると、「喫煙習慣ができた」「ストレスが多い」「口腔ケアを怠る」などといった生活習慣の乱れが起こりやすい時期になるので歯周病リスクが高まります。
️成人期にできる歯科予防
- デンタルケアの意識を高めて毎日のセルフケアを行いましょう
- 歯ブラシに加えて補助的清掃用具(デンタルフロス、歯間ブラシ等)を使用しましょう
- セルフケアに加えて定期的に歯科医院での検診を受けましょう
壮年期(40〜60歳)
さらに歯周病のリスクが高まり、この世代から歯周病で歯を失う方も増えはじめます。セルフケアと歯科医院での定期検診がこれまでと変わらず重要です。
さらに歯の黄ばみや変色が加齢と共に気になる年齢でもあります。歯のクリーニングやホワイトニングでお口周りを健康に保ちましょう。
️壮年期にできる歯科予防
- 毎日のセルフケアと定期的な歯科医院受診
老年期(60歳以上)
体の免疫力が歯周病の進行を大きく左右します。加齢によって免疫力が低下すれば歯周病が重症化しやすくなります。歳をとるにつれ唾液の量が減ること、小さく刻まれた食材が歯と歯の間に残りやすいこと、義歯やその接する部分が清掃しにくく汚れが残りがちであること、などから口腔内が不衛生な環境になりやすくなります。また歯周病の進行によって歯茎が下がり歯の根本の部分が出てきて虫歯のリスクも高まります。お口のケアは以前にも増して重要になってきますが、身体の自由も以前ほどきかなくなり十分なケアができなくなる状況も起こりえます。最近では口腔ケアの種類も増え高齢者の方でも使いやすいようなケア用品も増えていますのでそちらを試してみるのもいいかもしれません。また寝たきりになり歯科医院への通院が難しくなることもあるかとおもいますがそのような方のために訪問歯科を知っている医院もあります。
老年期にできる歯科予防
- 毎日のセルフケアと歯科医院での検診を受ける
まとめ
今回は9つの年代に分けて、その年代のお口の特徴や歯科予防についてお話ししていきました。ご自身がどの年代に当てはまるかだけでなく、ご家族の皆さんで口腔ケアを見直すきっかけになればとても嬉しいです。どの年代にも共通して言えることは、毎日のセルフケアと歯科検診でのプロフェッショナルケアがとても重要ということです。年齢を重ねると生活習慣の変化や身体の変化は必ず起こります。身体と共にお口の機能も衰えてはいきますが生涯美味しいものを食べて健康に過ごせるよう継続的なケアを行なっていきましょう!
デュランタデンタルクリニックでは歯科衛生士が担当制となって、お口の健康のサポートを行います。ぜひ一度ご来院ください☺️
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会