【歯周病治療】は「患者様のホームケア」と「歯科衛生士のプロケア」の両方が肝心!デュランタデンタルクリニックの【歯周病治療】の流れを徹底解説!
Column
コラム/ 歯周病・予防治療 / 【歯周病治療】は「患者様のホームケア」と「歯科衛生士のプロケア」の両方が肝心!デュランタデンタルクリニックの【歯周病治療】の流れを徹底解説!
【歯周病治療】は「患者様のホームケア」と「歯科衛生士のプロケア」の両方が肝心!デュランタデンタルクリニックの【歯周病治療】の流れを徹底解説!
2024.11.11 歯周病・予防治療こんにちは、デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の歯科衛生士の井尾です。
10月でも暑くて半袖の日が多かった気がしますが、急に寒くなってきましたね。これからもっともっと寒くなるので体調管理が大切ですね!うがい手洗いしっかりして風邪をひかないようにしていきたいですね!
わたくしごとですが先日、上河内に行ってきましたが11月の山にも関わらず天気も良くぽかぽかでした☀️晴れ女っぷりを発揮してきました。
そして今回は、デュランタデンタルクリニックでの歯周病治療の流れについてお話しさせていただきたいと思います。
初診
・レントゲン撮影
歯周病による骨の吸収や、歯石の有無を確認します。
・歯周病の検査
歯周ポケットの数値
歯ぐきからの出血・排膿の有無
歯の動揺度(グラつき)のチェック
・磨き残しのチェック
この検査によって軽度〜重度に分類し、治療計画を立てます。レントゲンでは骨の状態や歯石の有無を確認します。
・スケーリング
超音波の機械で縁上歯石(歯ぐきの上の歯石)をとります。
・3Dスキャナーにて口腔内撮影
〜説明〜
歯周病とはどういう病気か、患者様の現在の病状(軽度〜重度)をお伝えします。
このような検査表を用いて、歯周ポケットの数値、出血(炎症)の有無、歯のグラつき、プラーク(歯垢)の付着部位をお話しさせていただきます。
〜相談とご了解〜
10〜30代で歯周病が軽度の方は、歯科衛生士にて歯の周りのプラーク(歯垢)や歯石などの汚れを落とし、磨き残しがあればセルフケアの指導を行います。歯ブラシ以外にも歯間ブラシ、フロスなどの清掃器具を使ってお口の中を日頃から清潔にしてもらいます。2回目の来院時に再検査を行い、歯ぐきの炎症が引いていればここで終了です。
ですが、歯科医院での歯周病の治療が必要な中等度〜重度の歯周病にかかっている方たちは、簡単にはいきません。歯周病の治療に徹底的に取り組むには、回数と期間を要したり、麻酔が必要なこともあります。そして、歯周病治療は患者様自身のご協力が必要となります。それを踏まえた上で治療を行なっていくか、患者様のご希望を伺い話し合った上で治療を開始します。
歯周病の治療は、患者様の行うホームケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアに分けられ、歯周病の治療は二人三脚と言われます。どちらかだけしっかりケアを行っても炎症は完全には引きません。
歯周病治療の効果が早く現れる方は、ポジティブかつ自分の体や健康に興味を持たれている方です。「一緒に頑張ろう!」という気持ちで治療に取り組んでいただけるとより早く効果が現れます。
2回目の検査、歯周病の基本治療開始
縁上歯石(歯ぐきの上の歯石)の除去から2週間ほど間をあけて、歯周病の再検査を行います。
・問診
1日の歯磨きの回数や使用している歯ブラシや喫煙の有無や生活習慣など
・歯周病の再検査
前回歯石取りを行ってから歯ぐきの状態が改善されているか確認します。
中等度〜重度の歯周病の方は、初診時よりも精密に検査を行います。1本の歯の周りの歯ぐき6点の歯周ポケットの深さを細かく測ります。
この2回目の検査で歯周病の治療が何回必要かお伝えします。
・レントゲン撮影(10〜14枚)
中等度〜重度の方は細かいレントゲンを撮って骨の状態、歯石の有無を確認していきます。
分かりやすいところでいうと下の画像は左上の奥歯を撮影したものですが
歯の根っこの側面についているでこぼこしたものが歯石です。そして歯周病によって赤のラインの所まで骨が溶けてしまっています。実際目で見ても歯ぐきの中に付着してる歯石なので分かりません。このようなレントゲンを見ながら歯周病の治療を行なっていきます。
・口腔内写真
治療前には、お口の中の写真を撮ります。治療前、治療後と歯ぐきの見た目の経過も追っていきます。
・プラークコントロール
そして患者様自身によるプラークコントロール、つまり歯磨きのクオリティーが一定以上の状態で保たれていることが重要になるため、歯磨き指導も行います。必要に応じて磨き残しがないか染め出したり、フロスや歯間ブラシなどの指導も行います。
・歯周病の基本治療(SRP)
歯周ポケットの中に潜り込んでいる歯石を歯石の付着具合によりますが、1回の治療で4〜7本ずつ触っていきます。
Q.なんで回数かかるの?
これはよくある質問です。1回で終わらせてほしいとお願いされることもあります。できればそれが理想だと思いますが、これには理由があります。歯ぐきの中の歯石は、汚れと血液の固まりでできています。血液がつなぎとなっているため、とても硬く歯1本の歯石を取るのに時間がかかります。状態にもよりますが1回で取りきるとなると何時間もお口を開けていただくことになります。全部の歯の治療を行う必要がある方は、6ブロックに分けて6回必要になります。重度の方だと歯石や不良肉芽(感染した壊死組織)をその6回では取りきれず、再度治療が必要になることもあります。
これは抜歯した親知らずですが、黒い表面がぼこぼこしたものが歯石です。
年数がたつほど硬くなりこびりつくのでかなりの力と時間が必要になります。
3回目の検査
歯周病の治療後、1ヶ月あけてから2回目と同様に歯周病の再検査を行います。3回目は2回目と同じ検査を全て行います。レントゲンを何枚も取った方は同じように歯石の有無や骨の状態を比較するため撮っていきます。
・歯周病治療後の検査結果
全ての資料(歯周ポケットの数値・歯の同様の有無・歯ぐきの炎症(出血)の有無・口腔内写真・レントゲン)をお見せして説明いたします。
この時点で改善していれば治療は終了です。
ですが歯周ポケットが深ければ深いほど改善は難しいです。歯周病の基本治療では見えない所をレントゲンで確認し、触診しながら、歯石や歯周病菌による壊死した組織を機械や手用の器具で取り除いていくのですが限界があります。歯の根っこは奥歯になるほど複雑です。
このように根っこが3本または4本とあり、根っこの離開度(赤の⇄)も違うため基本治療だけでは全て取り切るのは不可能です。
そのため検査結果によっては、次の段階の外科的処置(フラップ手術)を行います。
もちろん患者様には説明し、承諾を得て行なっていきます。
フラップ手術では、歯ぐきを切って開いて歯石・不良肉芽(壊死した組織)を除去します。
歯周ポケットが深いところでも実際に目で見て歯石を除去することができるため、取り残しが激減します。
ですが外科的処置まで望まない方は、再度基本治療(SRP)を行いなるべく細菌量を減らしていきます。
歯石を徹底的に除去することで、歯周病の進行を抑制させます。
歯周病菌は深い歯周ポケットの中で繁殖するため、歯周ポケットが浅くなると、歯周病は進行しづらくなります。しかし、フラップ手術は歯石を徹底的に除去でき、歯周ポケットの数値は浅くなりますが、手術後は歯ぐきが下がってしみやすくなるリスクもあります。また、歯周病の進行を抑制することはできますが、歯周病で溶けた骨を元に戻すことはできません。骨が溶けてしまっている場合には、骨を再生するための歯周組織再生療法を行います。外科的処置についてはまた詳しくお話ししますね。
SPT(歯周病安定期治療)
全ての治療が終了し、歯ぐきが改善され、安定したら歯周病安定期治療に移行します。
SPTは、歯周病治療後の再発防止と、再発が起こってしまった場合に早い段階での適切な処置ができるための、連続的な経過観察と予防処置を行っていくことです。
患者様の感覚でいうメンテナンスにあたります。
* 歯周組織の状態を維持するためのプラークコントロール
* 歯周病検査
* 口腔内写真撮影
* スケーリング
* 必要に応じてSRP
* 必要に応じて咬合調整
* 機械的歯面清掃
口腔内の細菌は0にはならないので、深い歯周ポケットに細菌が隠れて抵抗力が落ちた時に、腫れたり痛みが出たりしやすくなります。なので定期的に細菌量を減らすことが大事なのです。歯周病の度合いにはよりますが、最低でも3ヶ月〜半年に1回はSPTをうけましょう。
まとめ
本日はデュランタデンタルクリニックでの歯周病治療の流れをお話しさせていただきましたがいかかでしたか?
歯周病治療を行なったことがある方や、途中で中断してる方には、なぜこんなに時間や回数がかかるのか理解していただけていたら幸いです。歯周病の治療を積極的に行なっていない歯医者もたくさんあります。経験のない方や歯ぐきの状態に不安がある方は、気軽にご相談ください。
歯周病治療には、ゴールはありません。
元に戻ることが完治というのであれば、完治する事のない疾患です。治ったというのは、歯周組織の炎症が無くなった状態を指します。菌が激減し、原因が無くなれば炎症が無くなります。
ただ、その時にはすでに歯ぐき、骨が溶けてしまった部分がある状態です。
ですから、治療は組織の炎症が無くなり、歯ぐきが引き締まりきれいになったとしてもその状態を保つ事が必要になります。要するに、予防です。
再発しないように毎日、正しい歯磨きを行い、歯科医院での定期検診を継続していく必要があります。
デュランタデンタルクリニックでは歯科衛生士が担当性となっています。歯周病の治療からメインテナンスまですべて担当するので、患者さまと長いお付き合いになります。歯科衛生士の目標は、生涯にわたり患者さまのお口の健康をお守りすることです。その目標を達成させるためにコミュニケーションを大切にし、きめ細かな処置とアドバイスで、患者さまのお口の健康をサポートさせていただきます。
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会