歯科衛生士が紹介!虫歯菌の「酸」に負けない、強くて丈夫な【歯】をつくるために摂りたい栄養素と食材ガイド
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歯科衛生士が紹介!虫歯菌の「酸」に負けない、強くて丈夫な【歯】をつくるために摂りたい栄養素と食材ガイド
2024.11.18 歯と健康こんにちは。デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の歯科衛生士の井尾です。
もうすぐ12月で冬の寒さになってきましたね🫠
しっかり寒さ対策して風邪を引かず、元気にデュランタデンタルクリニックにて患者様をお迎えしたいと思います!(笑)
医院のすぐ近くの久屋大通りパークにある“スコンター”というタイ料理屋さんにお昼休みにスタッフでランチに行きました🎵ボリューム満点でスタッフ全員推しのタイ料理屋さんです🥰
さて、今回お話しするのは「丈夫な歯を作るための栄養素」についてです。虫歯に負けない強い歯にするための食材などもご紹介します😊
食事やおやつはお子さまにとって、心と身体の栄養を補給する大切な時間です。楽しみながら発育に必要な栄養素をバランスよく摂取できるように心がけましょう♪
歯の構造
歯はこのように構成されています。
歯は身体の中で一番硬い組織です。
ですが虫歯菌が作り出す”酸”には弱いのが特徴です。また歯は、髪の毛や皮膚のように再生することはありません。そのために”酸”に簡単に溶かされない強くて丈夫な歯を作ることが大切です。
歯を作る栄養素
ビタミンA
歯の一番外側を覆っているのはエナメル質です。人体で最も硬い組織であり、歯の構造の中でもかなり重要な部分でもあります。そんなエナメル質は、ビタミンAをしっかり摂取することで強くすることができます。
ビタミンAは抗酸化作用があり、各組織のタンパク質と結合しそれらの組織を保護します。歯の表面を覆うエナメル質を強化する性質があるため、虫歯予防にも効果があります。
ビタミンAを多く含む食品:豚肉、レバー、ほうれん草、かぼちゃ、にんじん、うなぎ、のり、わかめなど
ビタミンD
ビタミンDは、骨にカルシウムが付着するのを助ける接着剤のような役割があり、強い骨や歯の形成を促します。ビタミンDが足りなければ、いくら乳製品や魚や大豆を食べてもカルシウムを体内に取り込むことはできません。カルシウムはからだに取り込むために助けが必要な栄養素でもあるんです。カルシウムを多く取り入れたい場合は、ビタミンDが豊富に含まれている食物も同時に食べる必要があります。
そして、体内に侵入した細菌やウイルスを食べる働きがある「マクロファージ」と呼ばれる白血球の1種が体内には存在し、マクロファージは私たちを病気や感染症から守ってくれる、重要な免疫細胞の1つです。このマクロファージを活性化するためにビタミンDが必要であり、ビタミンDがあることでマクロファージが活性化され、歯周病で起きている炎症を健康な状態に導く助けになります。
・エナメル質形成不全
歯のエナメル質が、様々な理由からうまく形成されないことがあります。歯の表面のエナメル質が欠けたりくぼんだりして、その下の象牙質がむきだしになり変色したりします。乳歯のときの虫歯や外傷いった局所的なことが原因の場合と、病気や栄養障害といった全身の障害が関係している場合があります。カルシウムの吸収を助ける、ビタミンD不足が関係していることも多くあります。
ビタミンDを多く含む食品:魚類、しいたけなど
カルシウムとリン
カルシウムは、骨や歯を構成する主要な成分です。歯の象牙質は、そのほとんどがカルシウムで形成されています。そして歯が強くなるためには「石灰化」という現象が不可欠です。その上で有用となる栄養素がカルシウムとリンです。再石灰化とは、食事でお口の中が酸性に傾き、エナメル質が溶けたときに、強い歯に修復してくれる働きです。カルシウムはこの再石灰化を助けてくれるのです。逆に、カルシウムが足りず再石灰化がうまくすすまないと、溶けたエナメル質が修復されず虫歯リスクが高まることになります。
エナメル質や象牙質を構成する「ハイドロキシアパタイト」というのは、カルシウムとリンによって作られていることから、これらの栄養素は歯の健康を維持するために極めて重要だといえます。
カルシウムを取り込むためには、同時にビタミンDの多く含まれた食品をとりいれることをお忘れなく。
カルシウムやリンを多く含む食品:乳製品、ひじき、しらす、牛肉、卵など
ビタミンCとタンパク質
エナメル質の下に存在している象牙質は、ビタミンCを摂取することで強くできます。
また歯周組織に含まれるタンパク質、コラーゲンの合成を促し、歯をささえる土台を健康に整えます。コラーゲンにカルシウムが付着することによってじょうぶな歯が作られるのですが、コラーゲンの合成に必須の栄養素がビタミンCなのです。
歯周病の原因となる細菌は、このコラーゲン繊維を分解してしまい、歯茎の弱体化につながってしまうのです。ビタミンCには、免疫力をあげる、炎症をおさえる、抗酸化作用といった効果もあり、歯周病原因菌の感染予防や炎症の改善に役立ちます。
そして象牙質は主にタンパク質でできており、タンパク質を摂取することで象牙質を形成します。
ビタミンCを多く含む食品:カボチャ、ピーマン、小松菜、ブロッコリー、じゃがいもなど
タンパク質を多く含む食品:鶏肉、大豆、魚、卵など
マグネシウム
マグネシウムは、歯を支える歯槽骨を構成する重要な栄養素であり、腸管でのカルシウムの吸収を助けたりもしています。マグネシウムが少なくなると、歯肉の血流が悪化し、その結果歯肉炎や歯周炎などの症状が起きやすくなります。またこれらは一度起きると、症状を悪化させてしまうこともあります。
マグネシウムを多く含む食品:大豆、海藻類、アーモンドなどです。
おまけ
ニンジン、ごぼう、レタス、セロリ等は繊維質を多く含み、直接清掃性食品とも呼ばれています。しっかりと噛むことにより、歯や粘膜の表面が綺麗になり、唾液の分泌促進やアゴの発達に好影響をもたらします。唾液がしっかり出ることで、歯垢が蓄積しにくくなります。
まとめ
まずは大前提として、「栄養バランスの良い食事をする」ということを念頭においてください。歯に良いからといって、特定の食物だけを過剰摂取しては、栄養のバランスが取れなくなります。この点は注意しましょう!
全身の健康に栄養もとても大切ですが、歯や口腔内の形成にも栄養は必要になってきます。普段食事しているとき、栄養について考えることはありますか?ぜひ、食事をする際は歯や口腔内の形成にも関連しているということを忘れずに食事をしてみてください!また、これを機にどんな食べ物が歯や口腔内に関連しているのか調べてみるのも食事をする楽しみになるかもしれません😊
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会