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2人に1人が経験している顎関節症を、症状・原因・セルフケア・治療法まで解説!心当たりがあれば歯科に相談へ行こう。
2024.10.31 歯と健康こんにちは、デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の院長の坂本果歩です。
みなさんは顎関節症をご存知ですか?
よく耳にする言葉だと思いますし、自分は顎関節症ではないかと思っている方は多いと思います。
顎関節の異常は日常的な癖や噛み合わせなど色々な要因から発症します。
今回はそんな顎関節についてお話ししていこうと思います。
顎関節症とは
顎関節症とは耳の上の前にある顎関節や顎を動かす筋肉が痛み、顎が開きづらくなったり、動かすと音がしたりする症状のことをいいます。
耳の穴の少し前方に位置しているのが顎関節です。顎関節は顎の骨と頭蓋骨の骨を結んでいる場所で左右に一つずつあります。
実は顎関節症は2人に1人は経験するといわれているくらい多くの方が経験するものです。
口の開閉時の雑音だけなど軽い症状を含めると人口の約20%近くの人が当てはまり、うち来院するのは約5%ほどで、経験する人こそ多いものの治療や手術するまでに至らないのが特徴です。
顎関節症の症状
- 口を開けた時の顎の痛みや不快感
- 口が開きづらい、閉じづらいといった口の開閉時の制限
- 顎の音や「カクカク」といったクリック音が鳴る
- 耳や側頭部の痛み、頭痛やめまい
顎関節症のタイプ
①筋肉の障害によっておこるタイプI型
咀嚼筋(側頭筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋)の障害によるもので頬やこめかみのあたりが痛みます。筋肉の緊張や筋炎が原因です。
②関節包、靱帯の障害によっておこるタイプII型
あくびや硬い食べ物の咀嚼などによる、顎周辺筋肉の伸張による慢性的な炎症です。
顎の捻挫のようなもので、顎を動かすと顎関節部が痛み雑音が生じます。
③関節円盤の制限によっておこるタイプIII型
下顎頭と下顎窩の間にある関節円盤が下顎とうまく合わさることができなくなると、開口に制限がかかってしまいます。また口の開閉時に「カクカク」などといった関節雑音がはっきりと聞こえますが筋痛はなく痛みが弱いのが特徴です。
④変形関節症によっておこるタイプⅣ型
骨の変形によって起こるもので開口時に「シャリシャリ」とした音がなります。
レントゲン写真にも異常が見られるほどの重度のケースです。
顎関節症の原因
生活習慣から考えられる原因
生活習慣から考えられる顎関節症の原因は次のようなものが考えられます。
- 上下の歯が常に接触している(TCH:Tooth Contacting Habit 歯列接触癖)
上下の歯が常に接触している癖は顎関節症患者の約8割にみられ顎関節症発症の大きな要因の一つと考えられます。
本来は口を閉じると歯と歯の間にわずかな隙間が生じ歯と歯が接触することは少ないです。 - 頬杖をつく
- 片方の歯で噛んでいる
- 猫背などの姿勢
- 歯ぎしり、食いしばり、うつ伏せ寝などの夜間習慣
- 外傷
- 悩みや緊張によるストレス
姿勢などの癖のほかに、スポーツをしている時や夜中の歯ぎしりや食いしばりなどの無意識に歯と歯が接触する時間が長くなると顎関節症を発症します。また緊張やストレスは食いしばりの原因になり、身体のバランスの不調や心理的要因による筋肉の緊張が顎関節症につながると考えられます。
顎関節症のセルフケアと治療法
顎関節症を放置すると顎の局部的な炎症にとどまらず、進行し全身に広がってしまう可能性があります。顔面の歪みや頚椎・仙骨の歪みなど全身症状に進行するケースもあります。少しでも顎に違和感を感じた場合は歯科医院を受診するほか症状がまだ比較的軽度な場合は自宅でできるセルフケアもあります。
〈自宅でできるセルフケア〉
- 頬杖をつかない
- うつ伏せで寝ない
- 口を開ける練習をする
まずは生活習慣を意識して改善することが大切です。
筋肉をほぐすマッサージもセルフケアとして有効ですが自己流のマッサージは間違った方法や強くやりすぎると症状が悪化してしまう可能性もあるため注意が必要です。
〈歯科医院での治療法〉
①スプリント(マウスピース)療法
歯科医院で行われる一般的な治療法としてスプリント(マウスピース療法)があります。就寝前にスプリントを装着し、夜間の食いしばりや歯ぎしりの予防を行います。
保険適用で行える治療方法で上の歯に合わせて製作したマウスピースを装着し噛み合わせの修正などを行います。
スプリントを作成した直後は慣れずに、「はめて寝たはずなのに枕元に、、、」ということもあるかと思いますが少しずつ慣れていくので継続して使用しましょう!
②内服治療
顎関節症による痛みが強い場合は、消炎鎮痛薬を処方し症状の緩和・除去を促します。筋肉のこわばりやストレス因子など顎関節症が発症している原因に合わせた治療を行います。
③温熱療法やマッサージ
電気療法や温熱療法を行うことで血流の改善や痛みの緩和につながる方法です。
もみほぐしや咬筋、側頭筋のマッサージを行うことで筋肉のこわばりを改善します。
様々なマッサージ法や療法がありますので医療機関で正しい方法を教えてもらいましょう。
④ボトックス治療
ボトックスを咬筋に注入して、一過性の筋肉麻痺を起こすことで、筋肉の可動域の制限します。そうすることで咬む力を減らすことができ、食いしばりが減ります。
まとめ
顎関節症の原因は歯科的なもののほかに、ストレスや生活習慣によるものなど様々です。無意識に歯を接触させている癖はないかなど生活習慣を見直せば原因がわかってくるかもしれません。
また冒頭でお話ししたように顎に異常を感じても来院されない方がほとんどです。初期は軽い症状で済むかもしれませんが重度になってくると口の開閉が難しくなり日常生活に支障をきたす可能性があります。
すこしでも異常を感じたら歯科医院を受診することが大切です。
デュランタデンタルクリニックでも顎関節症の治療を行っています。お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会