
「親知らず」の抜歯に迷ったら読んで!若いうちに抜くべき3つのメリットとは?知っておきたい治療のタイミングと判断基準を解説
Column
コラムこんにちは。デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の院長の坂本果歩です🍉
「親知らず、抜いたほうがいいのかな?」「今は痛くないけど、そのままで大丈夫?」こんなふうに思っている方、意外と多いのではないでしょうか😟?
親知らずは、20代前後に生えてくることが多い奥歯で、正式には「第三大臼歯」と呼ばれています。上下左右、合計4本ある方が一般的ですが、もともと生えてこない方、1〜2本だけの方もいらっしゃいます。
そして、現代人のあごは昔に比べて小さくなっていて、親知らずがまっすぐ正しく生えてくるケースは実は少数派。多くの方が、「ななめに生えている」「歯ぐきに半分埋もれている」「顎の中に完全に埋まっている」など、問題を起こしやすい生え方をしています。
痛みがあったり、腫れたり、虫歯になったりすると「抜歯」という選択肢が出てきますが、痛みがないと「本当に抜く必要あるの?」と迷ってしまいますよね。今日は、親知らずと年齢の関係に注目しながら、「抜くべきタイミング」について、わかりやすくお伝えしていきます😉
実は、親知らずの抜歯は「若いうち」のほうが圧倒的におすすめです。
その理由は、大きく分けて次の3つです。
親知らずは、10代後半から20代前半にかけて生えてくることが多い歯です。この時期は、あごの骨がまだやわらかく、親知らずの根っこも完全に成長しきっていないため、比較的スムーズに抜歯できます。
一方で、30代・40代と年齢を重ねるにつれて骨はどんどん硬くなり、親知らずの根も複雑に曲がったり分かれたりしてくるため、抜歯にかかる時間や身体への負担が増えやすくなってしまうのです。
実際に、「20代のうちに抜いておけばよかった…」という声もよく聞きます。
若いころは、私たちの身体の「自己修復力」が元気いっぱいです。親知らずを抜いた後の傷も早く治りやすく、腫れや痛みなどのトラブルが起きにくい傾向があります。
ところが年齢とともに、傷の治りはゆっくりになります。抜歯後に「なかなか腫れが引かない」「痛みが長引く」なんてことも起こりやすくなります。
また、抜歯後の感染リスクや、血が止まりにくいといったトラブルのリスクも、年齢とともに少しずつ高くなっていくと言われています。
親知らずは、磨きにくくて汚れがたまりやすく、虫歯・歯周病・口臭の原因になりやすい歯です。また、隣の第二大臼歯(7番目の歯)を圧迫して、歯並びを乱したり、骨を吸収させてしまったりするケースもあります。
さらに、親知らずの周囲に「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれる炎症が起きると、繰り返すたびにあごの骨が破壊されたり、膿がたまったりして、全身に広がる恐れすらあります。
これらを予防するために、「まだ問題が起きていないうち」に抜いておく、という判断が推奨されることが多いのです。
ここまで読んで、「じゃあ親知らずは全部抜かないとダメ?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
実は、すべての親知らずが「抜歯適応」というわけではありません。
・まっすぐ生えていて、しっかり噛み合っている
・虫歯や炎症がなく、歯みがきがきちんとできている
・将来的に移植や補綴(ほてつ)で使える可能性がある
このような場合は、親知らずを残しておくこともあります。
まずは歯科医院で状態を確認することが大切です。
〜親知らずを“残す”という選択をするなら〜
「できれば抜きたくない」「痛くなったらそのとき考えよう」と思う方も多いと思います。ただし、抜かない選択をする場合には、それなりのリスク管理が必要です。
親知らずの状態は、見た目だけでは判断できません。レントゲンで、根の向きや神経との距離、周囲の骨の状態を確認することが重要です。年に1回はレントゲンを含めた検診をおすすめします。
以下のような変化があれば、すぐに歯科を受診しましょう。
・歯ぐきが腫れる、違和感がある
・口臭が気になる
・隣の歯に虫歯ができた
・歯並びに変化が出てきた
親知らずは非常に磨きにくい位置にあります。汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高いため、丁寧な清掃が欠かせません。
・小さめの歯ブラシで奥まで届かせる
・ワンタフトブラシや歯間ブラシの使用
・デンタルフロスや洗口液の併用
・毎日のケアを習慣にする
“今は大丈夫”でも、数年後に突然炎症を起こすことも少なくありません。毎日のケアを続けることが、将来の抜歯を防ぐ一番の方法になります。
「親知らず、なるべく抜きたくないんですが…」
この言葉は、歯科の現場でもよく聞かれます。
抜歯が必要かどうかは、レントゲンや口腔内の状態をもとに判断されます。今すぐ抜かなくてもよいケースでも、将来的に抜く必要があることも多いため、医師と一緒にタイミングを見極めていくことが大切です。
親知らずは、すぐにトラブルを起こすとは限りませんが、将来的に問題を引き起こしやすい歯であることは確かです。
特に20代までの若いうちは、
・抜歯が比較的スムーズにできる
・傷の治りも早い
・将来のリスクも軽減できる
といった理由から、「抜くなら早めに」が基本的な考え方です。
ですが、60代、70代の親知らず抜歯も可能です。
今抜こうと思ったときが1番若い時なので
年齢を重ねてる方でも抜く必要がある方は
早めに抜きましょう。
親知らずを残すことは可能ですが、それには適切な管理と定期的なチェックが必要です!気になる方は、痛みが出る前に一度ご相談ください。抜くかどうかを含め、最善の方法を一緒に考えていきましょう😊
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会