【歯周病治療】は「患者様のホームケア」と「歯科衛生士のプロケア」の両方が肝心!デュランタデンタルクリニックの【歯周病治療】の流れを徹底解説!
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歯磨き剤の選び方ガイド!〜おすすめする薬用成分とその効果を知って賢く選ぶ方法〜
2024.3.04 歯周病・予防治療こんにちは、デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の歯科衛生士の井尾です。
本当に暖冬?って思うくらい寒い日が続きますが2月に一足先に春を感じてきました🌸少しだけお裾分けしますね(笑)
春が近づいてますね、、♡
そして今回は歯ブラシと同様に「たくさんあって何を使ったらいいのか分からない」というお声をよく聞く歯磨き剤についてお話ししようと思います。皆さんのホームケアで少しでも役立ちますように。
化粧品、医薬部外品の違い
歯磨き剤のパッケージには「化粧品」もしくは「医薬部外品」と記載されています。この違いは、薬用成分の有無です。配合されている場合を「医薬部外品」として分類されます。基本成分のみの歯磨き剤は「化粧品」とされます。日本の市販されている歯磨き剤の9割が医薬部外品で、そのうちの8割が薬用成分のひとつとしてフッ素配合となっています。
歯磨き剤に配合されている主な基本成分
・湿潤剤
歯磨き剤のしっとり感を適度に保ち、操作性をよくします。
・発泡剤
歯磨き剤が泡立つ成分です。
・研磨剤(清掃剤)
歯垢やステイン(コーヒーやタバコのヤニなどの着色汚れ)を落としやすくする働きがあります。
・香味剤
香りをつけ、爽快感わ与えて歯磨き剤を使いやすくし、お口の中をサッパリさせます。
・粘結剤
粉と液体成分との分離を防ぎ、かつ成形性を保ちます。
・防腐剤(保存剤)
歯磨き剤の品質劣化を防ぎます。
一般では、基本成分の発泡剤や研磨剤が多く配合されているものがよく出回っています。発泡剤の泡立ちは歯垢除去効果は確認されていません。泡立ちそのものに清掃効果は期待できないということです。泡立ちは磨いている部分を見えにくくさせてしまうため、磨き残しを発生させるリスクにもなります。泡が多いと早くうがいをしたくなるため歯磨き時間が短くなりやすいのもデメリットです。歯科医院専売品の歯磨き剤は、発泡剤無配合や低発泡です。
研磨剤は、粒子が粗いものだったり多く入っていたりすると歯が削れて知覚過敏の症状がでたり、歯に傷がついて余計着色がつきやすくなることもあるので注意が必要です。
研磨剤も歯科医院専売品の歯磨き剤は、無配合だったり低研磨、歯に優しい研磨剤が配合されているものになります。
おすすめ薬用成分と歯磨き剤
口腔内の細菌に対して高い殺菌作用のある成分が配合されている歯磨き剤がおすすめです。フッ素については、以前詳しくお話ししているので省かせてもらいますね。(世界中の虫歯を減少させた「フッ素」の、虫歯予防に有効な3つの働きと正しい利用方法を歯科衛生士が解説)今回は、フッ素濃度だけお伝えします。
歯周病の予防に
おすすめ①CPC(塩化セチルピリジニウム)
歯磨き剤だけでなく、洗口液などに広く使用されている薬品で、口腔内に浮遊している細菌に対して強力な殺菌作用をもっています。複数の細菌が集まって構成されるネバネバした膜バイオフィルムの表層の細菌に付着して持続的な殺菌効果を示します。
おすすめ②IPMP(イソプロピルメチルフェノール)
CPCは、バイオフィルム表層と浮遊細菌に効果的ですがIPMPは、バイオフィルムへの浸透性に優れていてバイオフィルムの中にいる最近まで殺菌する作用があります。
緑色が生菌、赤色が死菌です。CPCが中まで浸透しないのが分かりますね。(LIONのHPより引用) しかしIPMPは、浮遊細菌に対しての殺菌力はCPCの10分の1程度しか得られないため、組み合わせが大切です。
おすすめ③LSS(ラウロイルサルコシンナトリウム)
歯周病菌は独特な匂いを発生させます。口臭予防をしたい方は、LSSが入っている歯磨き剤を選びましょう。LSSは口臭の原因菌を殺菌し、口臭の発生を防ぎます。
▼システマ SP-Tジェル
こちらはおすすめ②、③が配合されています。ほかにも弱った歯ぐきを活性化するビタミンEや炎症•出血を抑制する薬用成分も配合されています。ジェルタイプになっていて歯ぐきや歯周ポケットに長く留まる粘性の高い歯磨き剤です。フッ素は1450ppm配合です。
▼システマ SP-T メディカルガーグル
こちらは歯磨き剤ではないですが、おすすめ①のCPC配合のうがい薬です。他にも抗炎症効果や口臭除去効果のある薬用成分も配合されています。希釈タイプなので約200回分ご使用いただけるのもおすすめする理由の1つです。
知覚過敏がある方に
おすすめ④乳酸アルミニウム
象牙細管と呼ばれる痛みの伝達路となる部分があり、乳酸アルミニウムはこれを封鎖する作用があります。
おすすめ⑤硝酸カリウム
硝酸カリウムは、興奮した神経を鎮静させ刺激の伝達をブロックする作用があります。
▼システマ センシティブ
おすすめ④、⑤の薬用成分が入っている歯磨き剤です。そして歯周病予防でもご紹介したおすすめ②のIPMPも配合されています。歯周病で歯ぐきが痩せて知覚過敏の症状がでてる方にもおすすめです。フッ素へ1450ppm配合です。
歯の着色が気になる方に
おすすめ⑥炭酸カルシウム
炭酸カルシウムはエナメル質や象牙質といった歯質よりも柔らかく、きめ細かいことが特徴です。これにより、エナメル質を傷つけずに優しく着色除去できます。
▼ルシェロ ホワイト
こちらは弱アルカリ性のため、歯面に付着した着色を浮かせて落とす効果があります。「Phの違いによる着色除去の比較試験」により、中性よりアルカリ性の方が除去力が高いことが分かっています。炭酸カルシウムは他の歯磨き剤と比べて高濃度配合されているのも特徴です。フッ素は950ppm配合です。
※一般のホワイトニング用の歯磨き剤で知覚過敏が生じたり、エナメル質が傷ついてしまう理由は研磨剤の荒さや硬さにあります。
特に海外製のホワイトニング用の歯磨き剤は、エナメル質の薄い日本人には要注意です。
まとめ
ご自分で選ぶ際の参考になっていれば幸いです。歯磨き剤を買い換える時は薬用成分を少し気にして購入することをおすすめします。
薬用成分がしっかり入ってる歯磨き剤を使っている方、今後使っていきたい方は、その薬用成分の効果を発揮させるためにお口の中に長く留まっていることが大切なので、うがいの仕方にも気をつけていただきたいです。歯磨き後は約15ml(大さじ1杯分)の少量の水で軽く5秒ほどのうがいが推奨されています。歯磨き後のうがいが多めの方は減らしてみてはいかがでしょうか♪
最後に虫歯以外は特に気にならない!という方にはこちらがおすすめです。
▼チェックアップ スタンダード
フッ素は1450ppm配合でフッ素滞留成分が入っていて歯面へのフッ素滞留性が大幅にアップします。またカチオン化セルロース配合により、マイナスのフッ素イオンを静電作用により歯面に引き付けます。積極的に虫歯予防を行いたい方は、ぜひお使いください。
以上が当院のスタッフおすすめ歯磨き剤になっています。私は、朝•昼に虫歯予防の歯磨き剤(チェックアップ)、寝ている間にお口の中は菌が繁殖する環境になるので、夜は歯周病予防の歯磨き剤とうがい薬を使っています(SP-T)。使い分けるのもおすすめです。気になったものがあればスタッフにお気軽にお声掛けください。
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会