詰め物・被せ物治療の成功のカギは歯周病治療にあり!デュランタデンタルクリニックが大切にする虫歯治療の流れを解説
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親知らず抜歯の腫れ・痛みを最小限にするために行う歯科医師の工夫と、患者さんが実践できる抜歯後の5つの対策
2024.5.31 歯科治療こんにちは、デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科 院長坂本果歩です。
親知らずは、将来的に虫歯や歯周病などといったトラブルを招くリスクが高いものが多く、リスクが高い場合は、抜歯を検討することになります。
しかし、いざ抜くとなると誰でも不安になると思います。
親知らずの生え方、抜き方、時間によって、腫れ、痛みが違うことをご存知ですか?
まっすぐ生えて、そのまま抜歯できる親知らずはほとんど腫れや痛みもありません。
横向きに埋まってる親知らずは骨を削らなくてはなりません。骨を削れば…歯は抜けますが…抜歯後の腫れ、痛みが強くなります。
そのため、当院では歯を分割し、できるだけ骨の削る量を抑えています。
歯の生え方や深さによりやむおえず骨を削る場合は最小限にとどめています。
また、抜歯時間が長ければ長いほど、感染を起こしやすく、腫れるため、短い時間で行なうようにしています。
また、本日は親知らず抜歯後の注意点をお話しします。
抜歯前の炎症(智歯周囲炎)
親知らず(智歯)が原因となって歯ぐきが腫れる症状を智歯周囲炎といいます。現代人の顎の骨は退化傾向にあります。特に親知らずは生える時期は一番遅くて一定せず、正常に生える人は少なくなっています。生える場所は一番奥なので、生えるための顎のスペースがなく、斜めに倒れたり横向きに埋もれることも多くあります。正常に生えていない場合、前の歯との間に深い歯周ポケットができ、こうなると汚れをきれいに落とすことが難しく、細菌の住み家となり、それが原因で炎症を起こしやすくなります。
時間が経つにつれて炎症は広がり、歯ぐきに膿が溜まったり、口が開きにくい、頬が腫れる、高熱を出すことも珍しくありません。
そうなると抜歯後も腫れが起こりやすいため、症状が出る前の抜歯をおすすめします。
※あなたの親知らずは残していても大丈夫?抜いた方が良い親知らずの6つのケースを口腔外科で経験を積んだ歯科医師が解説
抜歯後には、腫れや痛みがでることがあります。
親知らずに限らず、歯を抜いた後は体は傷を治そうと血の塊をつくり、徐々に歯ぐきや骨を回復させていきます。そもそも炎症とは、身体が細菌やウイルスなどの異物を排除して身体を守ろうとする防御反応です。なので傷が治る過程で、腫れや痛み、発熱や内出血などの炎症がでることがあります。
特に下の親知らずが斜めや横向きだったり埋まっている場合は、歯ぐきを切ったり、骨を削ったりするため炎症が強く出やすく、腫れる場合もあります。
炎症の程度、期間は人によって異なりますが、一般的には2〜3日がピークで1週間ほどで落ち着きます。
人前で話をする、写真を撮る機会がある、食事の予定があるなどの方は、抜歯するタイミングを相談しましょう。
親知らずの抜歯後にみられる症状
親知らずの抜歯後には、
「じわじわと血が出る」
「口が開きにくい」
「鈍痛がある」
「歯を抜いた所に食べカスが入る」
など日常生活で不便に感じることも出てくると思います。
通常は抜歯して2〜3日で落ち着いてきます。
稀に抜歯後に痛みが2.3日経過してから増してくる
ドライソケットというものがあります。
抜歯窩(抜いた所の穴)が渇いてしまっている状態を指します。どういう状態かというと、歯は歯槽骨といって骨に埋まっていますが、抜歯した場合その骨が露出します。通常はその露出した骨の上に血餅ができて、歯肉が被ってくることで治癒していきます。しかしなんらかの理由で血餅ができずに抜歯した穴が露出したままになってしまうのです。露出した状態が長く続くと、口腔内は細菌が多いため、露出した骨に細菌が感染してしまうのです。この抜歯後に感染を起こした状態をドライソケットといいます。気をつけていても体調や免疫力の関係などで抜歯後2〜5%の割合でドライソケットになる場合があります。
抜歯後に洗浄や傷口の確認で来院されるのは大変だと思いますが、出血や、異常がないかの確認をしていますのでご来院お願いします。
抜歯後の腫れや痛み対策
①血餅を洗い流さない
血餅(けっぺい)とは血の塊のことで、抜歯後にできた穴を塞ぎ、出血を抑えたり、細菌から骨を守る役割があります。気になって舌や手で触らないようにし、うがいも軽めにするように注意しましょう。血の味が気になって何度もうがいをしたり、ブクブクと強くうがいはNGです!歯ブラシも傷口には当たらないように注意してください。
②喫煙は控えましょう
タバコに含まれる成分は、歯ぐきや骨の血管を収縮させてしまいます。さらに細菌と戦う白血球の働きも弱まるため、歯ぐきを守る力が低下することが分かっています。
そのためにタバコを吸うことで傷の治りが悪くなるどころか、悪化させてしまう可能性も高くなります。
③血流がよくなることは控えましょう
抜歯後の当日は運動をしたり、お酒を飲んだり、長風呂したりと血流がよくなることをすると出血しやすくなります。
出血が長引くことによって傷の治りが遅くなったり、更に腫れがひどくなる可能性があります。
④免疫力を高めましょう
身体の免疫が低下すると、細菌に対する抵抗力も落ちます。睡眠はしっかりととって、栄養バランスの良い食事で免疫力を高めましょう。
⑤口腔ケアで細菌の量を減らしましょう
細菌が繁殖することにより炎症を起こし、腫れや痛みの原因になります。お家でのセルフケアはしっかりと行いましょう。
まとめ
必ずしも親知らずを抜かないといけないというわけではありませんが、トラブルが起きる前に歯科医に相談することをおすすめします。親知らずを抜くことによって手前の歯を守る予防にもなります。
骨は年齢と共に固くなっていきますので、抜歯される場合は早めの方がおおすすめです。
デュランタデンタルクリニックでは、歯の生え方によっては安全に抜歯するために事前にCTを撮って診断を行っています。麻酔もしっかりと行なっていくので治療中は痛みを感じることはありません。(麻酔薬は体温と同じ温度で温めることで、麻酔注入時の不快感を軽減させています)
また、下顎の親知らずの抜歯の際は骨にも麻酔が効きやすいよう伝達麻酔を用いています。
心配であればお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会