
知らない間に金属アレルギーを発症しているかも!?そのリスクになる【銀歯】のメカニズムを解説!詰め物・被せ物の理解を深めて選択しよう
Column
コラムこんにちは、デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の歯科衛生士の井尾です☺️
先日は静岡にぷち旅行してきました😊 天気もよく観光と綺麗な景色と美味しい海鮮と大満足でした🤩🙏
みなさんは歯の治療のために金属が使われていることはご存じでしょうか?
現在も”銀歯”が入っている方もいるかと思います。
「銀歯で金属アレルギーになることがあるの?」と疑問に思っている方もいるかと思います。実は、銀歯が原因で金属アレルギーを発症することがあります。お口の中だけでなく、全身にも症状が現れるケースもあるため注意が必要です。
今回は、銀歯も原因になる金属アレルギーの原因や症状についてを解説します。安心して治療を受けるために、金属アレルギーが心配な方の選択肢もありますのでぜひ参考にしてください。
金属アレルギーとは、金属によって生じるアレルギー性の接触皮膚炎です。しかし、金属そのものはアレルゲンではありません。金属から溶け出した金属イオンが体内に存在するタンパク質と結合することで、アレルギーの原因となるアレルゲンが体内に蓄積され、アレルギーを引き起こします。
お口の中の金属は、常に唾液と触れているためにイオン化しやすい環境となります。唾液により溶け出した金属イオンが歯ぐきの血管に入り、抗原とみなされればアレルギー反応をおこします。ネックレスなどのアクセサリーの金属アレルギーも汗をかきやすい夏に発症する方が多いですね。
健康保険適応で歯科治療で使われる最もスタンダードな金属は「金銀パラジウム合金」です。銀歯の材料で、金12%、銀50%、パラジウム20%、銅17%で構成されており、その他にも亜鉛やスズ、インジウム、アルミニウムなども含まれています。
詰め物や被せ物、ブリッジ、入れ歯に使用されます。
どの金属にアレルギーがあるかは人それぞれですが、金属アレルギーを起こしやすい金属ら、ニッケル・コバルト・銅・パラジウム・スズなどです。アレルギーの発症は、銀歯を入れてすぐ発症するわけではなく、多くの場合5年以上の長い年月をかけて体内にアレルゲンが蓄積されて発症します。
銀歯が原因の金属アレルギーでは、銀歯の周りの歯ぐきがただれたり、口内炎がよくできたり、舌がピリピリと痛んだりといった症状が生じることが多いです。その他にも唇や口角が腫れたり、辺な味を感じるといった味覚異常の症状が現れることもあります。
また、金属イオンが歯ぐきの中の血管から全身に周り、全身のさまざまな部位の皮膚に、痛みやかゆみの伴う症状が現れることがあります。症状が重度の場合、手足に水ぶくれができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や、全身の皮膚が赤くなりリンパ節の腫れを伴う紅皮症などを引き起こすケースもあります。
金属アレルギーかもしれないと思ったら皮膚科で検査を受けることができます。よく行われるのがパッチテストという方法です。金属の成分を少し肌に貼り付けて、どの金属に反応するかを確認します。このテストでアレルギーの原因となる金属を特定できます。
パッチテストに対応してない皮膚科もありますので事前に確認してから受診されることをお勧めします。
金属アレルギーが心配な方には、金属以外の素材を使用しメタルフリー治療を行います。選択肢とそれぞれの特徴は以下のとおりです。
コンポジットレジンは、保険適用の歯科用のプラスチック(樹脂)です。治療部位にレジンを流し込み、光を当てて固めます。
保険適用のため、費用の負担を減らせます。見た目も白色のため目立ちにくいことがメリットです。
ですが虫歯が大きく、治療部位が大きいとコンポジットレジンでは難しい場合があります。直接治療部位に流し込むため、歯と歯の間や歯ぐきの下まで虫歯になっている場合などには隙間ができたり、フロスが引っかかるようになったりと適合がよくないものになってしまいます。
コンポジットレジンは比較的小さな虫歯治療に行います。
CADCAMとは、保険適用のプラスチック素材のブロックです。被せ物や詰め物にすることができます。色は白ですが、色の種類は5種類と決まっているので周りの歯と馴染みにくい場合があり、ブロックの状態から機械で削るので精密な被せ物、詰め物は難しく適合があまりいいものではなく、虫歯になりやすいのがデメリットです。そして強度が弱く、噛み合わせによっては割れやすいです。
コンポジットレジンもCADCAMもプラスチック素材のため歯垢がつきやすいのもデメリットとなります。
セラミックは、保険適用外の審美性に優れた素材です。上記①②と比較してもより自然な仕上がりになります。色の種類も豊富にあり、色調、透明感やツヤなど忠実に再現できます。
審美性もですが、技工士さんによる手作業によってかける時間や労力も違うため歯との適合がよく、虫歯になりにくいのが最大のメリットです。陶器なので汚れもつきにくく落ちやすいのもメリットです。
ですが保険適用外のため、保険適応のものと比較すると高額になります。
金属アレルギー予防の一番は、詰め物、被せ物の必要がないように虫歯を作らないことです!
すでに銀歯が入っている場合は、メタルフリーのものに変えるのも方法の一つです。
こちらの写真は保険適応の前装冠という被せ物です。金属に表面のみプラスチック素材を貼り付けたものです。色が数種類しかないため天然歯と比べ、透明感もなくかなり浮いています。
そして歯ぐきを見ていただくとすこし黒ずんでいるのは分かりますか?これは金属イオンが歯ぐきの結合組織に沈着し、酸化されることによって色素沈着してしまっています。これを”メタルタトゥー”といいます。
金属によってはこういう症状が現れる恐れもあります。
いかがでしたか?
銀歯がある方が必ず金属アレルギーを発症するわけではありませんが、金属がお口の中にある以上、金属アレルギーを発症するリスクはあります。
上記のように症状は、金属と触れる部分だけではなく、全身に及ぶケースもあります。銀歯によるアレルギーであることがすぐにわかる症状が現れるとは限りません。皮膚の赤みやかゆみなどの症状に長期間悩まされていた方が銀歯によるアレルギーだったというケースもあります。
もしも心配な方は、当院にお気軽にご相談ください。
メタルフリー素材には様々な違いがあるため、ご自身の希望に合った治療を行えるようご相談させていただきます。
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会