【歯周病治療】は「患者様のホームケア」と「歯科衛生士のプロケア」の両方が肝心!デュランタデンタルクリニックの【歯周病治療】の流れを徹底解説!
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スウェーデンが予防先進国になるまでの成功の歩みから考える「予防歯科」と、歯ブラシ選びの大切さ
2023.9.12 歯周病・予防治療こんにちは。名古屋市中区栄駅徒歩3分のデュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の歯科衛生士の井尾です。
当院は予防歯科に力を入れています。
予防歯科とはどういうものなのか、”予防歯科の先進国”と言われているスウェーデン🇸🇪のお話を用いて
予防歯科についてご説明していきます。
スウェーデンは、かつては日本より多くの人が虫歯や歯周病で歯を失っていました。
その状況を改善しなければとスウェーデン政府は、1970年代に”予防歯科”を国家的な一大プロジェクトとしてスタートさせました。
そして、1981年頃には日本の約半分まで虫歯を減らすという圧倒的な差がついてきました。
そして今では、世界一の虫歯予防大国となりました。
スウェーデンはどのような取り組みをしたのでしょうか?
そもそも予防歯科とは?
予防歯科とは、歯が病気になってから治療するのではなく、そうなる前に歯科医院に定期的に通院して、虫歯や歯周病など口腔内のチェックや、
悪化しないための検査、治療、生活指導を行い、歯を病気から守るという考え方で、現在の日本でも様々な形で予防歯科の重要性が広く伝えられています。
スウェーデンの取り組み
スウェーデンでは、歯科医院で予防歯科を受診することを義務化されました。
その理由は虫歯予防には、セルフケアとプロフェッショナルケアの両方が重要であることが調査により明らかとなったからです。
そして20歳未満の国民は、歯科診療費、治療費が無料です。
そのため、小さい頃から歯科検診の習慣がついていて、ほぼ100%もの子供が検診を受けているといいます。
スウェーデンでは、20歳未満は診療費、治療費が無料とお話ししましだが20歳以降は日本と比べてかなり高額になります。
よって、予防歯科の診療費を払うよりも高い虫歯の治療費を払うことが嫌だというのもスウェーデンの考え方です。
ですが、20歳以降でも国から歯科の受給券が定期的に配布され、その都度検診を受けることができるようになっているのです。
日本とスウェーデンの意識の違い
スウェーデンでは小さい頃から「歯の病気は予防するもの」だと教えられているので、予防歯科が大切だと思っている国民の割合は非常に高いです。
定期検診の受診率も高く、子供ではほぼ100%、大人でも80%ほどになります。
定期検診の予防歯科が大切であると思う人は日本とスウェーデンどちらも70%以上です。
しかし、実際に取り組んでいる人はスウェーデンでは70%、日本では26%と大差があります。
そんな予防歯科の意識に大きな差があるスウェーデンと日本において、80歳代で天然の歯が何本残っているかという調査(厚生労働省による2017年度の調査)において、
日本では平均13本のところ、スウェーデンでは21.1本にものぼりました。
ですが、日本でも80歳以上で20本以上保っている割合は8020運動をスタートした1989年(平成元年)は、7%程度、平均本数は4〜5本でしたが今ではそれが50%以上を超えています。
日本の国民の意識も高まっていることがわかります。しかし20〜30代のお口の健康状態には変化が見られません。
セルフケアの違い
セルフケアでも取り組みの違いがあります。スウェーデンではデンタルフロスや歯間ブラシ、デンタルリンスを使っています。
デンタルフロスと歯間ブラシは、歯と歯の間を磨く補助清掃器具です。デンタルリンスは、うがい薬です。
日本では、まだ歯ブラシのみで歯磨きを行う人は少なくありません。
スウェーデンの歯ブラシTePe
先が少し細くなっている台形のカタチが特徴です。先端がスリムになっているので一番奥までアプローチしやすいようになっています。
セレクトシリーズ
大きさは2種類あり大きい方は、ヘッドが歯3本分くらいのサイズになっていて一度にたくさんの面積を磨けるため、不器用さんやズボラさんにおすすめです。
小さい方は、歯2本分くらいの大きさで日本でもよくあるサイズ感です。
硬さは3種類で普通・やわらかめ・超やわらかめがあります。
スプリームシリーズ
スプリームとは、『最高の』という意味だそうです。
スプリームヘッド 縦25mm 横13mm
特徴:長くしなやかな極細の毛とラウンド可能されたコシのある短い毛の2層構造。
極細毛が歯と歯の間や歯周ポケットなど細かな部分に到達し、しっかりとプラークを除去し、短い毛が歯の表面を磨き上げます。
極細毛でも痛くなく、磨き心地がとてもソフトで優しい歯ブラシです。ネック部分にはワイヤーが内蔵されているのでお好きな角度に曲げて使用できます。
コンパクトタイプ コンパクトヘッド 縦20mm 横10mm
スプリームは、うちのスタッフ人気のNo.1歯ブラシです(^_^)
セレクトシリーズと同様にヘッドが台形になっているので届きにくい外側の奥歯に当たりやすく、極細毛ですが密毛で毛が多いのでとても気持ちよく磨き心地がバツグンです!
歯ぐきの状態によっては(腫れていたり、歯ぐきの厚みが薄い方など)、毛が細く先端が尖った(テーパード毛)ものだと歯ぐきが痛かったりするのですがスプリームは、そんな方にもおすすめできます!
ちなみに私は歯ぐきが薄く、一般的なテーパード毛の歯ブラシは痛いのでほとんど使いません、、
ですがテーパード毛を使った方がいい方もいらっしゃいます。
人それぞれ合う、合わないがあるので歯ブラシ選びは大切です。
当院では担当歯科衛生士制なので、患者さんにあった歯ブラシを選ぶお手伝いをさせていただきますので、ぜひご相談ください。
「お口は身体の玄関」
これがスウェーデンの歯科の考え方です。
口腔ケアをおろそかにしていると、むし歯や口臭に悩まされるだけでは済みません。
歯周病を放置しているうちに、歯周病菌が血液により体内に運ばれ、全身疾患の原因となることも。
とくに糖尿病との関連性が深いことが世界中で明らかになっています。
歯周病を治療すると血糖値に改善がみられることも報告されています。
定期的に歯科検診を受けることで、歯磨きをはじめとする自宅でのセルフケアを補完することができます。
歯と歯ぐきの境目、歯肉の中にあるプラークは、日頃の歯磨きだけではなかなか除去しきれません。
どれだけ頑張って磨いてもプラークの50-60%しか除去できません。
セルフケアの質を高めるのも重要ですが歯並び、歯磨きの癖、食習慣など、歯を取り巻く環境は人によって異なり、予防のプロである歯科衛生士のアドバイスが欠かせません。
今まで自己流で歯磨きをしてきた方は、自分ではできてるはずと思っても、ぜひ一度、私たち歯科衛生士に診てもらうことをおすすめします。
さまざまな生活習慣病を予防するためにも、定期的な歯科検診と適切なセルフケアを心掛けましょう。
歯を守るためには予防歯科が大切であることがスウェーデンの例で皆さんもご理解いただけたのではないでしょうか。
そして、検診も、歯周病検査、虫歯の検査、噛み合わせなど目で見るだけではわからないことをしっかり検査してお口全体を診ていくことが必要です。
当院では病気が進行する前に行う予防歯科、治療後の再治療を予防するために定期的なメンテナンスを行なってます。
メンテナンスは大切ですが、日頃のセルフケアは毎日するものなのでより大切になってきます。
担当の歯科衛生士が初診からメンテナンスまで継続して診ていきますのでなんでもご相談下さい。お待ちしております。
おまけ
〜スウェーデンの子供の歯磨き指導〜
スウェーデンでは、子供に歯磨きを教えるときに”2+2+2+2″という合言葉を教えるそうです。
“2+2+2+2″とは??
2time per day
(1日2回は歯磨きをする)
2cm toothpaste
(フッ素入りの歯磨き剤は2cmの長さを歯ブラシにつける)
2min brushing
(歯磨きは2分以上)
2hours without eat/drink
(歯磨きの後2時間は飲食をしない)
そして歯磨きの終わりには、口の中の歯磨剤を残して、フッ素をとどめておきます。
少量の水でゆすぎすぎないことが重要です!
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会