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歯科用レントゲン写真の種類と虫歯や疾患を防ぐための重要性を解説
2023.10.16 検査・歯科機材こんにちは、名古屋市の地下鉄名城線、東山線、栄駅から徒歩3分、桜通線久屋大通駅から4分のデュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の歯科衛生士の井尾です。
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科では、初診時にはパノラマX線写真とデンタルX線写真を撮影します。
患者様の中には、「病院でレントゲン撮ったばかりだからレントゲンは撮りたくない」などといった理由で断られる方もいらっしゃいます。
しかし虫歯や歯周病は初期の段階では、自覚症状がほとんどないことが多く、自分では何ともないと思っていてもトラブルが見つかることが多々あります。
今日は歯科医院では、病気を見つけるためにとても重要なレントゲン写真についてお話ししていきたいと思います。
当院で行なっているレントゲン写真の種類
①パノラマX線写真
②デンタルX線写真
③歯科用CT
④セファログラム
の4つがあります。
1つずつお話ししていきますね。
①パノラマX線写真
全体のお口のレントゲン写真を撮るのがパノラマX線写真です。
顔の正面のみを写しても歯はカーブしていて全体が撮らないので、顔の周りをぐるっと写してレントゲン写真上では顔の下半分(上は眼窩(目の周囲)から下はオトガイ部(下顎)まで)ほどが平面に見れるようになっています。
10秒ほどで完了するので身体的負担はありません。
レントゲン写真では硬いところは白く、柔らかいところは黒く写ります。
パノラマX線写真でわかること
・歯の本数や生え方、親知らずの有無
・大きな虫歯の有無
虫歯になると歯が溶け、歯本来の硬さが失われるのでレントゲン上では黒っぽく写されます。
・歯の根っこの状態
神経があるかどうか、歯の根っこの先に膿が溜まっていないかなどを確認します。
・人工物(詰め物や被せ物、インプラントなど)の状態
人工物の形態や適合状態、2次虫歯ができていないかなどを確認できます。
・歯が割れていないかどうか
パックリと割れてしまったところには破折線という黒い線が写ります。
・歯石の有無
プラーク(歯垢)が固まると硬い石のようになるため白く写ってきます。プラークは写りません。
・顎の骨の状態
骨の構造や歯を支えている骨の量などを確認できるので歯周病の進行度合いが分かります。
など多くの情報を得ることが可能になります。歯科医院では、最も多く撮影される手法の一つであると思います。
②デンタルX線写真
ごく小さい範囲(2〜4本の歯牙)を撮影する機器で、約4㎝×約3㎝のデンタルフィルムと呼ばれるプレートを口の中に入れて、外側からX線を照射します。
パノラマX線写真よりも画像が鮮明で、更に詳しく状態を見るために撮影します。
当院では、初診時に見落としやすい歯と歯の間の虫歯をチェックするために撮影します。
③歯科用CT
パノラマX線写真を撮る機械と同じものを使用します。
CT撮影装置とコンピュータ処理により撮影データを3次元的に構築することで、骨の状態などを正確、高精度に診断できます。従来の歯科用レントゲンでは判別が難しかった骨の厚みや密度まで簡単に計測でき、より高度な治療を行えます。
CTと聞くと大きな病院で撮るレントゲンを思い浮かべる方も多いと思いますが、歯科用はお口の周りだけ撮影を行います。
CT撮影でわかること
・インプラント治療時の骨の厚さや密度
・親知らず抜歯の際の位置確認
生えている向き、神経との距離、上顎洞(鼻の穴の空洞)との距離など
・埋まっている歯の確認
・根っこの先にできた膿の確認
などが分かります。
パノラマ、デンタルX線写真では確認できなかったことが3次元になることによって確認できるようになります。
④セファログラム(頭部X線規格写真)
顔の側面から撮影したX線写真です。
すなわち、頭部から頸部にかけての骨の状態を確認できます。
矯正治療の正確な治療計画を立てるためには、患者様の歯並びに関する様々な資料が必要となります。
正確な診断を行うにあたり、その資料の1つとしてセファロ写真が重要になります。
その写真を使って分析することからセファロ分析も呼ばれています。
セファロ分析でわかること
・頭を基準にした歯の傾き
・上下の顎骨の位置関係
・歯列の形態、位置に関する特徴や成長
・矯正治療の難易度
・横顔での唇や頬のライン
このようにセファロ分析をすることによって、口腔内の歯列不正が詳しく明らかになります。ですが残念ながらセファログラムはどこの医院でも撮影できる写真ではありません。正確な診断や治療を行うためにも、矯正治療を検討する際はセファロが撮影できる歯科医院を探すことをおすすめします。
歯科用レントゲンから出る放射線量は極めて少なく、安全です
デンタルX線写真の撮影時に出る放射線量は0.01ミリシーベルト程度です。パノラマX線写真撮影時の場合は0.03ミリシーベルト程度になります。これらは日常生活で受ける自然放射量に比べて、極めて少ない数値です。
※シーベルト(Sv)という単位は人体への影響の単位です。
日本人の1人あたりの平均放射線量(被ばく量)は1年間で約1.5ミリシーベルトです。
例えば、ほぼあり得ないことですが1年間に150回の歯科用レントゲン撮影を受けたとしても、まだ日本人の1年間の平均放射線量程度にとどまります。
歯科用CTの撮影時における放射線量は1回あたり0.1ミリシーベルトであり、歯科用レントゲンと比べるとわずかに放射線量が上がりますが、この数値も医科用CT(全身CT)の放射線量(約6.9ミリシーベルト)と比べると70分の1程度であり、放射線量としては極めて少ない数値です。歯科用CTが原因で健康被害が出るおそれはまずありません。ご安心ください。
放射線被曝の早見表(https://www.qst.go.jp/uploaded/attachment/22422.pdf)
レントゲンやCTから得られるデータは精密な歯科治療を行うためには欠かせません。特にインプラントや矯正治療ではCT画像に基づく精密な診断が必須となります。
妊婦さんが歯科医院でレントゲンを撮影しても大丈夫?!
歯科医院でレントゲン写真を撮る際は、放射線をブロックする鉛でできた防護服を身につけていただきます。撮影部位は口周囲で、撮影時の放射線量も極めて微量であることから、お腹の胎児への影響は限りなく少ないです。
胎児に影響を及ぼす放射線量のレベルは、50ミリシーベルト以上とされています。歯科でレントゲン写真を1枚撮る場合は、その数千倍分の1以下という計算になります。そのため、もし妊婦の方がレントゲン撮影を行ったとしても、まず影響はないと考えられます。
しかし念の為、妊娠中はレントゲン撮影を行わなかったり、必要最低限にとどめることが多いです。妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は、安心して治療が受けられるように歯科医師に相談しましょう。
最後に
患者様には、より安心して、レントゲン撮影を行っていただけます。レントゲン撮影でお口の状態を知り、診断を行い、治療計画を立て、経過を見ていくことはとても大切です。私たち歯科医院では、むやみにレントゲン撮影を行っているのではなく、必要な時に必要な種類のレントゲン写真を、必要な回数だけ撮影しています。これを読んで頂いて、レントゲンに対する疑問や不安が少しでも解消され、これからは安心して歯科治療を受けていただけたら幸いです。
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会