【歯周病治療】は「患者様のホームケア」と「歯科衛生士のプロケア」の両方が肝心!デュランタデンタルクリニックの【歯周病治療】の流れを徹底解説!
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インプラントにも歯周病がある!【インプラント周囲炎】の症状・進行の流れ・予防のポイントを知ってインプラントを長く使い続けよう
2024.9.03 歯周病・予防治療こんにちは、デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科の院長の坂本果歩です。
みなさんは、インプラントにも歯周病があることをご存知ですか?
インプラント治療は、最も天然歯に近い機能や審美性をもつ治療方法です。しかしそれは治療後に正しいメンテナンスを継続していればの話で、メンテナンスをおろそかにしてしまうとインプラントがダメになってしまうこともあります。
今回は、そんな事態を招くかもしれない”インプラント周囲炎”についてお話しします。これから治療を受ける方にはぜひ知っておいていただきたい内容になっています。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、その名前が示す通り、インプラントの周りの組織で炎症がおこる病気で、歯周病と同じ細菌感染症の一種で、歯面ではなくインプラントの表面に付着したプラーク(歯垢)が原因で起こります。
インプラントの周囲が適切に清掃されていないと歯周病と同じで、歯ぐきに炎症がおき、炎症により徐々に歯ぐきや歯を支えている顎の骨が溶かしてしまいます。
インプラント周囲炎の進行
正常なインプラント
人工歯の部分(上部構造)やインプラント体との接合部分がしっかりと清掃されて、歯ぐきや周りの骨が健康に保たれている状態で、埋められたインプラント体はしっかりと骨とくっついている。
インプラント周囲粘膜炎
インプラントの周りに炎症は起きているものの歯ぐきのみで炎症が起こっている状態。人工歯(上部構造)とインプラント体の接合部分に溜まったプラーク(歯垢)が原因で、インプラント周りの歯ぐきに炎症が起きている。痛みもなく気付きにくい時期です。
インプラント周囲炎
炎症が歯ぐきからインプラント周りの骨にまで広がった状態。歯ぐきや顎の骨の破壊が徐々に進んで、インプラントを支えきれなくなるとグラグラしたり、最悪脱落します。
インプラント周囲炎の症状
インプラント周囲炎は、歯周病と同様に、明らかな痛みを伴わない場合が多く、自覚症状が現れにくいのが特徴です。
インプラント周囲の歯ぐきの腫れや出血
炎症が起こることによって歯ぐきが赤みを帯びて腫れがみられるようになります。また歯磨きの際に歯ぐきから出血することもあります。
インプラント周囲のポケットの形成
炎症が続くとインプラントと歯ぐきの境目に隙間ができはじめます。その中に食べかすやプラーク(歯垢)が溜まって、細菌が繁殖し不衛生な状態が続くと炎症が深いところにまで広がり、骨を溶かし、ポケットという深い部分が形成されます。
インプラント周囲の歯ぐきから膿がでる
ポケットが深くなり、炎症が進むと膿が出てくるようになります。
インプラント周囲の歯ぐきが下がる
インプラント周囲の歯ぐきや骨の破壊がはじまると歯ぐきが下がります。歯ぐきが下がると本来なら見えないはずの部分の人工歯(上部構造)とインプラント体との接合部や、インプラント体が見えてくる場合もあります。
インプラントのぐらつき
インプラントを支えている顎の骨が溶けることによって、ぐらついてきます。
インプラント周囲炎の原因
セルフケア不足
インプラント周囲炎の原因はプラーク(歯垢)です。歯磨きが不十分だとインプラント周囲炎になります。
喫煙
喫煙は血管を収縮させるため、結果として血流が悪くなります。血流が悪くなると栄養や酸素が全身に行き渡らなくなり、免疫力が低下します。そのため、喫煙が歯周病やインプラント周囲炎のリスクを高める可能性があります。(こちらのコラムでは詳しく喫煙と歯周病について解説してます)
喫煙者はインプラント治療を断られたり、禁煙を勧められることもよくあります。
糖尿病
糖尿病もインプラント周囲炎を高める要因です。糖尿病になると、免疫力が低下します。その結果、歯周病菌に対する抵抗力も落ちてしまうからです。また新陳代謝にも悪影響があるため、炎症の治癒に問題が生じる場合があります。(こちらのコラムでは糖尿病と歯周病の関係性について解説してます)
糖尿病の方も歯科医院によっては、インプラント治療を受け付けてくれません。
貧血
貧血も免疫力低下の原因となるため、インプラント周囲炎にかかりやすくなります。貧血で血流が悪いと細菌から体を守る白血球や栄養・酸素が体内に行き渡りません。その結果、歯周病菌への抵抗力が落ちてしまいます。
歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや食いしばりで、過剰な力が加わり、インプラント周囲の組織を痛めてしまう原因になります。
インプラント周囲炎を予防するには
歯磨き
何度も言ってますが、インプラント周囲炎の原因はプラーク(歯垢)です。したがって予防するには、丁寧なブラッシングでプラーク(歯垢)を取り除くことが大切です。
歯ブラシだけでなく、歯と歯の間をフロスまたは歯間ブラシできれいにすること。インプラントの形状にあった清掃道具を使用することが大切です。
定期的なメンテナンス
治療後にインプラントに不具合やトラブルがなくても、歯科医院でメンテナンスを受ける必要があります。検診の頻度は、口の中の清掃状態、全身の健康状態、歯周病のリスクなどを考慮して決めます。
軽度の炎症であれば、自分では気づけません。症状がでて気づく頃には、重度になっていることがほとんどです。定期的にポケットの深さ、炎症の有無、必要に応じてレントゲンを撮って状態を確認しましょう。もちろん機械的な清掃を行い自分では落とせない汚れをクリーニングします。
禁煙
喫煙者の方は、歯科医院で相談するか禁煙外来を受診することも大切です。
まとめ
インプラントの寿命は、患者様の治療後の過ごし方や身体の状態によって左右されます。特に、正しいセルフケアの習得や定期的に歯科医院で行うメンテナンス、禁煙はインプラント周囲炎を予防する重要なポイントです!ご自身で感染に気づくのは困難ですが、歯科医師がチェックすることで早期発見や早期治療につながります。
また、歯周病がある方はインプラント周囲炎になる確率が高いと言われていまふ。
当院では、3.4ヶ月のメンテナンスと1年に1回インプラントメンテナンスを行なっています。またその内容は別でお話ししますね😊
メンテナンスやインプラントメンテナンスを行なっていない方はきちんとメンテナンスを行っている方の7倍もインプラント周囲炎になりやすいです。
インプラントはきちんと適切なケアを行なっていれば10年後90%が問題なく使える状態と言われています。
インプラントをすでに入れられてる方、インプラント迷われている方お気軽にご相談ください♪
この記事の監修者
デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科
院長坂本 果歩
地元の大分県の大分県立大分上野ヶ丘高等学校卒業後、
愛知学院大学歯学部歯学科に進学、卒業しました。
その後、愛知学院大学附属病院での研修を経て、愛知県内の地域密着型の医院、都心型の医院で勤務することによりたくさんの治療のスキルを学びました。
歯周病治療に力をいれた、再治療の少ない治療を目指して口腔外科、インプラント、矯正などの幅広い診療も行っています。
学歴・経歴
2016年 愛知学院大学歯学部歯学科 卒業
2017年-2018年 愛知学院大学附属病院 勤務
2018年-2023年 愛知県内 歯科医院 勤務
2021年-2022年 藤田医科大学 口腔外科 研究生
2022年 名古屋市 歯科医院 分院長
2023年 デュランタデンタルクリニック栄歯科・矯正歯科開業
現在に至る
所属団体
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
愛知インプラントインスティチュート
日本抗加齢医学会
日本歯科医師会
愛知県歯科医師会